定年後の支援現場で 2021.7.21 すいごごカフェ 沖山稚子さん(障害者職業支援草分け)

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定年退職後のエキサイティングな日々 61~65歳

 60歳で定年退職してから10年、非常勤として働いてきた中で感じたことを話したい。
 初めの3年間は越谷市障害者就労支援センターで勤めた。でも、2015年6月に市が就労支援センターの委託を社会福祉協議会の方に切り替えたため、私達は委託を打ち切られ、職を失った。自分の意志ではなく失業するのはとても辛かったけど、この辛さが後の就活意欲につながった。
 そこから9か月間、初めての求職活動でハローワーク通いをした。この時いろんな所を受けたけど、5~6カ所落ちた。開門と同時に頻繁に訪れるから担当者もうんざりしてたと思うけど、こんなに苦しいんだと思って私も負けずにやってた。でもそのうちハローワークが「うちでも募集するけど来るかい?」って言ってくれて、就労支援ナビゲーター(発達障害担当)として採用された。
 でも仕事では、職安の求人票というのは職務の内容を必ずしも表してないのに、書いてある文言を中心に相談していて、レベル低いなと思った。それに、例えば男の人だけを募集していることがみえみえのところに女の人を平気で推す。で、落ちる。でも、1日何人紹介したかカウントするんだけどその数が大事なわけ。私はそれが耐えられなくて辞めた。
 新規の求人を見るのが大好きだったので、次に見つけて働いたのは、都立高校。ユースソーシャルワーカーとして、高校中退予防や進路未決定卒業者支援をした。でも、出来たてで超暇だった。でも、余暇時間がたっぷりあり、そのおかげで社会福祉士の資格に受かることができた。

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そろそろ職業生活の終了に向けて 66~70歳現在

 66歳になり、新宿区役所 障害者福祉課で、総合支援法で運営している事業所の監査の仕事をした。新宿区内の施設を結構回ったけど、チェックされるポイントはわかっているから、施設側が不備な点は監査までに間に合わすんだよね。だから、ペーパーが整ってるところほどどうなってるのかなって思うようになった。移動支援を同じ担当がやってたり、サビ管が摘発されて業務停止になったり、そういった違法なこともあるんだなと勉強できた。でも、9か月くらいやるとまた新規求人が気になって。
 次は川越少年刑務所。出所間近の入所者のキャリアカウンセラーを担当した。入所者の3~4割が知的障害者、発達障害だと言われていて、「お兄さんいいバイトあるよ」って誘われたら簡単にオレオレ詐欺の受け子にされちゃうような子たちが刑務所にいっぱいいた。今まで本人の障害も、その人のニーズもはっきりしてる人達しか見てこなかったんだなって思った。
 次は、C県高校のスクールソ-シャルワーカー。定時制の職員室に籍を置きながら4カ所くらい回った。薬の飲みすぎ、リスカ、小中学校不登校の子なんかを見てた。ここの定時制高校は、ここなら入れるって思って入ってきても5月くらいに辞める子が多かった。先生達も生徒がほしいんじゃない。「あの子もやめたね」って笑ってて独特だった。
 その後、就労移行支援事業所「世一緒」就労支援員と
 相談支援事業所「世一緒」相談支援専門員になった。相談者の困りごとがはっきりしているから、こちらでやることのさわやかさがあった。まぁ、そうとばかり言えない人もいるんだけど、こちらで元気を注入していたかなと思った。
 D区小中学校のスクールソーシャルワーカーをしているけど、独特。私はそれなりにやりがいもあったんだけど、「力を出し尽くした、疲れた」と感じて、今年の9月末で退職予定。
 母校の明治学院大学社会学部で非常勤講師として「就労支援サービス」「インターンシップ」「共生社会の理解」を10年間担当していたけど、これも終了した。日々いろんな現場にいたので、その中でのエピソードを問題ない範囲で話していた。「スクールソ-シャルワーカーとかジョブコーチとかおもしろそう、どこでやってるんですか?」なんて聞かれたけど、「月19万くらいの給料で、福祉のマインドを持ってやっていけるかどうか。一生この給料じゃ無理でしょ、あなた方は難しいよ。」って言ってた。面白いしやりがいはあるけど、ジョブコーチは安定した職種でもなんでもないからね。今学ぼうとしてる人に劣悪な事業所に行ってほしくないなって。生活を安定させてもらいたいなと思う。
 刑事司法ソーシャルワーカーは2018年から5名担当した。当面は受任する意欲無し。

「支援を必要とする方々」への対応を担う非正規職員

 20戦8勝(2カ所は辞退)の就活はこれにて終了で、これ以上する気は一切ない。今日話したいことのメインなんだけど、支援を必要とする方々への対応を担う職員、これをワーキングプアが担っている。社会保険がついているから飛びつくんだろうけど、来年度も契約できるかどうかって不安があるとお客(相談者)だって安心できない。モチベーションもスキルも求められる仕事なのに、そういう状態をあちこちで見る。一生懸命やっているワーキングプアが大変な人に対応している。例えば、大学を2つも出ている生活保護のケースワーカーの方は、仕事で訪問した人のアパートの方が自分のよりずっといいって言っていた。こういう残酷な世界で働いてると、モチベ-ションを保てと言う方が苦しいと思う。

 今の仕事では、あそこはひどいって市役所に言われないように、相談できる人を医療や教育や福祉など各分野に見つけながら、それぞれの機関にいろいろ言えたらいいなと思っている。ソーシャルワークってアセスメントしてモニタリングして、これの繰り返し。出来合いの業務でできることはほとんどないから。向こうが閉めようとしているドアに、そうじゃないでしょって割り込んで探っていく。どこそこの市役所ではやってましたよって。そういうやり方で広げていけたらいいなと思っている。実習だけで帰るからお願いしますって言って。実習だけで帰らないけど。生活保護を取って就職しなきゃいいんですかねえってギンギン言って。どの仕事をしてもそうやっていきたい。徐々に就労生活を減らしていくことを考えているけど、少し元気があるうちに無事終われそうで、本望です。

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