社会福祉を学ぶとは 2022.2.9 すいごごカフェ 志波美乃里さん(埼玉県立大学4年生) 【前編】

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弟のことを考え続け、培われた私の人生観

埼玉県立大学社会福祉学専攻4年。宮城県仙台市出身。現在は越谷で一人暮らし。趣味はジャズサックスや喫茶店でのんびりすること。就職先は㈱LITALICOのジュニア部門、児童発達支援。

 人生紹介。宮城県の田舎で長子として生まれた。2つ下の弟が自閉症と知的障害。父親は小さい頃から単身赴任だったので、物心つかない頃から母と弟は私が守らないと、と責任感があった。小学生の時は間違わないように間違わないようにって意識が強くて、一人で遊ぶことが多かった。それに、好きとか嫌いっていう感覚がわからなくて、好きな遊びや食べ物を聞かれた時のために用意した答えを暗記して言っていた覚えがある。友達との関わり方や自分がどう思っているのかっていうことについて小学生ながら悩んでいたなと思う。

 中学では弟は特別支援学級にいたんだけど、保健の先生から「美乃里ちゃんが傷つくから“弟君が障害を持っていることをみんなの前で言うのはやめてください。”って職員会議で言ったから大丈夫だよ」と言われて。先生は悪意じゃなくて私への善意で言っていて、障害を持つ姉としてかわいそうと思われてるというのが衝撃だった。

高校で大学の進路を考えた時、社会福祉を学びたいと思った。理由の1つは弟の存在。暴れる弟をどうしたらいいかわからないことが苦しくて、その答えを探したかった。あと、貧困だったり女性問題だったり幅広い知らない分野を学びたくて。もう1つは優生保護法を知ったことから。優生手術を行った件数は宮城県が全国で2番目に多くて。しかも昔の話だと思ったら全然そんなことなくて、衝撃を受けて社会福祉を学びたいと思った。

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私を支えていた”幸せを貯めるコップ”の定義

 10~17歳頃が暗く辛い期間だった。弟は、癇癪を起こすと自分でもわけわからなくなって人を叩いたり噛みついてきたり壁を壊したり暴れまわって。母も泣き崩れてて。私は母と弟を助けたいって思ってるけど、何もできない私がすごく嫌いで、罪の意識があった。それで幸せについて考えることが多かったんだけど、人にはそれぞれ幸せを貯めるコップがあるってイメージを漠然と持ってた。弟から叩かれたり噛まれたり、自分が苦しい思いをして自分の持つ幸せのコップの分量を少なくすることによって、その分周りの人(母と弟)に幸せを与えられるんだと思っていた。

 高校2年の時にその考え方が変わった。高校の吹奏楽部で1年生の時リーダーだった私は、毎年の流れで3年にはそのまま部長になるもんだと思っていたんだけど、結果的にはなれなかった。「美乃里ちゃんは自己犠牲的で任せられない。」と言われて。部長になった子は素直に人に頼れる子で、みんながポジティブになってて。最初は違うんじゃないかなと思ったんだけど、次第に彼女に尊敬の念を抱いて自分を変えたいって初めて思った。


大学に入って出会えた新たな自分

 大学に入ったのが大きな変化になった。誰も私のことを全く知らない土地で生活することによって、こうありたいと思う自分を少しずつ出せるようになった。そしたらポジティブになって、本当に好きだと思える人達に囲まれることになって。誰かを幸せにするには、まず自分自身を幸せにして、それであふれた分を他の人におすそ分けするような感覚を持つようになった。ジャズサークルに入って心から好きだと感じることができたり、居酒屋とかわらじの介助だったりいろんな方面でバイトもできた。実習ボランティアも子供児童養護施設とか特養とか社協に行ったり、クリスマスイブにサンタの恰好をしてプレゼントを渡すボランティアをしたり。タイに行って、電気や水道も通ってない村でホームステイしたり。解放感からいろんな活動をしたなと思っている。

 でも、誰かといる時には考えや感情を合わせてしまうので、自分の感情が出てこない。それに反して、感情が豊かになったから落ちこむ時はとことん落ち込むようになってその対応の仕方にも悩んでいる。あとは家族との関係。(私が)助けないとっていう気持ちで接していたのが、昔あれは嫌だったなと気づいたことで、今上手く付き合えなくなってる。この前も電話が来たらじんましんが出ちゃって。これからどうしていこうかなって気持ち。

 これから就職するんだけど入社月が7月なので、それまでの3か月間は行ったことのない場所で住み込みでバイトでもしようかなと考えてる。会社に入ることに不安もあるけど、新しい出会いと環境にわくわくしている。

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後編はこちら→https://room-yellow.seesaa.net/article/202207article_3.html

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