川辺の農家の珈琲の味 2022.8.10すいごごカフェ       関根秀夫さん(関根農珈)

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 昭和57年、岩槻市で生まれた。今は、父と母と3人で米を中心に農業をやっている。昔からやってた人が離農する人が多くて、土地がだんだん空いてきてしまっている。うちは、機械を増やしたり田んぼをつなげたりして、少しずつ規模を拡大している。米の合間にほうれん草や枝豆も作ってて、それは農協に出している。

 仕事としては農家より先にコーヒーを始めた。コーヒーに関してはお客さんに「趣味でやってるんですか?」と聞かれることが多いが。
コーヒーの仕事を始めたのは21歳のとき。コーヒーを生業としているお店に就職した。そこではコーヒーを焼いたりコーヒーの教室を開いたり、あとはコーヒーの店を始めたいと考えている人に焙煎方法を教えたり。仕入れ、展示の仕方、販売などもやった。そのお店で約10年弱働いた。
 結婚する1年前、2004年にせんげん台に自分のお店をオープンした。8年くらいやったと思う。その後は3年ほど知り合いがやっている喫茶店の手伝いをし、再び岩槻へ戻ることに。
 
 子どもの頃はあまりにも身近すぎて、家の仕事に積極的にかかわることはあまりなかった。当時はネギや山東菜という正月用の白菜などを作ってた。親の仕事を「大変だなあ」と思いながら傍で見ていた。
自分は長男で、姉が1人と妹が1人。長男なので将来農家を継ぐのか継がないのか、ということは考えていた。でもやってみようと思い、両親の世話になりながら家の仕事を一緒にしていくことに気持ちを固めた。その時コーヒーを焼く焙煎機と豆を挽く機械も一緒に持って来た。
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 家の近くに末田須賀堰という水門がある。その地域ではせき止めた水を農業に使っている。去年から地域の土木係となり、水の管理や掃除、住民の方と草取りなどしている。水の管理は、雨が多く降ったら水門を閉めるなど。中干しという米作りでは重要な期間があるが、今年は梅雨が短かったため水不足で、例年より早めに田んぼに水を流した。
 元荒川は自分にとって身近で当たり前にあるもので、小さい頃は魚釣りなどもした。今では生活の一部であり、とても大切な川。息子は川で魚釣りをするのが好きでよく行っている。昔は川の水が汚かったが今では生き物も住めるくらい綺麗になった。

 米作りに関しては、コシヒカリを家で販売している。彩のかがやき、あさひの夢も。一昨年からは、「ほしじるし」という品種を農協から頼まれて作っている。
自分としては、コーヒーと農家をどうにかつなげる事が出来ないかと考えている。今は、コーヒーのカスを回収して堆肥とし、畑に戻して野菜を作るということをやっている。
 息子は釣りとかも好きだし、自分よりも自然への関心が高いように思う。自分は効率化を優先して農薬を撒いたりすることもあるが、そういう息子の姿を見ていると農薬の使用をなるべく減らさないとという気持ちになる。今年はコシヒカリの方は特別栽培米といい、農薬や肥料をあまり使わないで栽培している。もうすぐ稲刈りの時期なので、おいしいお米がたくさんできれば良いと思う。

珈琲と農業そして水

~今回のすいごごでは、実際にすいごごカフェの場でコーヒー豆を焼いていただいた。聞きに来ていた人たちが豆を焼く体験をする場面も。~
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日吉:コーヒーの教室ではどのようなことを?
関根:コーヒーをハンドドリップでおいしく淹れる方法や、あとはアレンジコーヒーとか。料理教室みたいな気楽な感じでやっていた。

関根:自分自身は働くまでほとんどコーヒーを飲んでこなかった。農家なので、朝昼晩お茶を飲む感じ。コーヒーについて何も知らない状態だったので、その分知識も吸収しやすかった。仕事が好きなものになったという感だった。
豆を焼くには、卓上のコンロと焼くための道具(ほうろく)があればできる。10分くらいで焼ける。こげない様に振り続ける。最初は硬い感じのカラカラという音がして、焼けてくるとパチパチという音に変わる。最終的に水分が飛び2割くらいかさが減る。ちょっと焼き過ぎくらいがいいかなと思う。

黒田:少し前に用水路が壊れて水がその地域に入ってこないということがありましたよね。
関根:もしそうなったらどうしようもないが、その年は収穫できない。つまり収入が無いということになる。あとは、全部の用水路に均等に水がいくわけじゃないので、なるべく自分の所の水が増える様に農家同士でちょっとした小競り合いとかもあったりする。
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