新型コロナのＡーＺ　2022.3.30 すいごごカフェ水谷淳子さん(耳鼻咽喉科開業医) 【前編】: 共に学び働くブログ（新）

2022年10月03日

新型コロナのＡーＺ　2022.3.30 すいごごカフェ水谷淳子さん(耳鼻咽喉科開業医) 【前編】

先天性免疫反応と獲得免疫反応

　進化の過程でウイルスとの共存・共生システムを構築してきた人類は、日常的にウイルスも含めた多くの微生物とともに生活してきた。それを可能にしているものが免疫システム。人間に自然に備わっている先天性免疫は、皮膚、粘液、粘膜の上についている繊毛など。異物を排除するための機能が備わってる。胃液はｐＨ２くらいで結構強力なので、細菌を飲み込んでも殺しちゃう。常在菌は鼻の入り口や口などの皮膚に常にいて、細菌を殺す。白血球の仲間は外から入ってきた異物を食べて取り除く。特徴としては、無差別攻撃に対して反応し、ウイルスとか細菌が入ってから数時間で反応するけど、何に攻撃されたかはあまり覚えてない。そういう自然免疫系がある。それに対して獲得免疫系は、特定の異物に集中攻撃し、どれに誰が攻撃したかって記憶を持つ。獲得免疫は、ワクチンを打って抗体を作りましょうというもの。ただ、抗体が果たしている役割というのは一部に止まっている。｢感染する｣ことと｢発症する｣ことは全く別物というのを覚えておいてほしい。

マスクも検査も…情報を鵜呑みにするなかれ

　第６波は大勢感染してて、マスクとかソーシャルディスタンスがあまり役に立ってないことがそろそろわかってきてるわけだけど。布マスクは論外だけど、サージカルマスクもウイルスの50倍くらいの大きさの穴なのに、なんでみんなマスクをしているかというと、周りの目を気にしているから。外国でマスクをはずそう、ワクチンパスポートをやめようって動きが出てきてるけど、みんな考える時期に来てるんじゃないかなと思う。

　検査、というと何となく正しいってみんな思っちゃうんだけど、鵜呑みにすると恐怖心ばっかり出ちゃう。検査でわかることは、ウイルスがいるかいないかだけ。①ウイルスが生きているか死んでいるか、②ウイルスが細胞に感染しているか、③発症しているか、④他人にうつすかどうか、⑤ウイルスが｢今いるのか｣｢少し前にいたのか｣、というのはわからない。

　PCR検査がなかったら抗原検査をされることがあるけど、さらに正確さに劣る。でも、やって陰性だと安心するっていう気持ちの問題なんだろうと思う。PCR検査はいろんなところでやってるけど、発熱の症状はコロナ以外にもどっさりあるのに、PCR検査の関門を通らないと次に進めないっていうのはすごく大変なことで。克己さんが先日尿路感染になったんだけど、PCR検査をネットで予約して翌日やって、陰性の証明を持ってかないと尿路感染という結果に到達できなかった。すぐ手術しなきゃいけない場合にも引っかかるのでとても大変。日々なんなんだと思ってる。

　第６波で大勢がコロナになったように、感染力は強くなってる。でも、ウイルスは宿主を殺しちゃったら自分も死んじゃうんで、感染力は強くなっていくけど徐々に病原性は弱くなる性質がある。

コロナは5番目の風邪のウイルスに

　去年の９月に国立感染症研究所が出した｢コロナウイルスとは｣(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html)の解説にも、｢今後このウイルスは、人類に定着して蔓延することが予想される｣と書かれている。今、すでに4種類の風邪コロナウイルスがあるけど、新型コロナウイルスは５番目の風邪のウイルスになると思う。感染力が強くなればかかる人が多くなるので死ぬ人も絶対数では増えちゃうんだけど、死亡率が第５波は0.39％、第６波が０.20％で、率では下がって来てる。年代別に見るとだいたいが年寄で、第６波では3/４以上。若い人なんかはほとんどもう風邪に近いんじゃないかと言われている。

　今までのワクチンと、コロナのｍRNAワクチンというのは作り方が全く違う。新型コロナの遺伝子を接種して、人の細胞の中でウイルスのたんぱく質を作らせて、抗体を作る。人間がワクチンの製造工場みたいになってるのが今回のワクチン。今まではウイルスを鶏の卵の中で増殖させて抗原を作って、それを人に打つことで抗体を作ってたんだけど、今回のは効率よく時間をかけないで作られる、構造が違うワクチン。

　ワクチン打った後の副作用や後遺症、死亡が問題になっている。厚労省のホームページを見ると、あまりに多すぎてクラクラしちゃう。ワクチン接種後の死亡者数は３月１４日までに1561人。３回接種後に83人死亡。10代はコロナで死んだ人よりワクチンで死んだ人の方が多い。副作用での重篤者数はわかっているだけでも6500人弱。うち10代は398人。副作用の症状は心臓障害、自己免疫疾患、アレルギーなどが考えられていて、これからじわじわ増えていくのではないかと言われてい人る。