わが家のコロナ感染記 2022.6.1 すいごごカフェ 山崎泰子さん(職場参加をすすめる会代表理事)

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感染対策は万全!と思っていたけど…

 我が家は、夫と私と障害のある30代の娘のかおるの3人暮らし。かおるがかかったらどうするか、私達がかかってしまったらかおるはどうなるだろうっていうのが一番不安だった。コロナワクチンが出た時には悩んだけど、感染はしても重症化のリスクは減ると聞いて、打つと決めた。かおるは部分てんかんを持っているので、かかりつけの先生に相談した結果、注射すると迷走神経反射を起こして倒れてしまうこともあって、接種しなかった。そのかわりに、かおるの楽しみもあるから全く禁止というわけじゃないけど、人混みに行かないことを徹底した。

 2020年の春からはもうほとんど電車にもバスにも乗せなかった。1ヶ月に1~2回、ヘルパーの方と2人で東京の方や横浜に出かけてたんだけど、それも話し合って取りやめにした。夕方の移動支援でのヘルパーの方との散歩も、前は電車に乗ったりいろいろしてたんだけど、一切なくなって。かおるが通ってる生活介護事業所 あおい空でも、感染対策で調理や外出のプログラムがなくなったりして。土日は生活介護事業所が休みだし、家にいても煮詰まっちゃうので、コロナが流行りだしてからは週末は公園に行くようになった。特に宮代町の西原自然の森という公園にはよく行って、東屋でお昼食べたり、ちょっと散策したりした。そんなこんなで生活様式を変えたので、感染対策は万全で、気をつけてれば感染しないだろうと思っていた。

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保健所や医師とつながっている、安心感がある療養生活

 ところが今年の4月、かおるは事業所から帰ってきてからも元気だったんだけど、夜パジャマに着替える時に震えてて。その時は寒さで風邪を引いたと思った。でも次の日の朝になったら8度5分あって。「発熱して24時間経たないと確定しないので、24時間経ったら来てほしい」と病院に言われたので、実際に行ったのはまた次の日。そこで核酸増幅検査をして陽性と出た。で、ラゲブリオというコロナ治療の新薬を出すと言われたんだけど、これは治験がすごく進んでいるわけではないので、同意書にサインを書かされた。でも、特に何もなかった。

 私達夫婦は発症しているかわからなかったから、最初の保健所からの指導では、食事を別々にとったり隔離生活をしろと言われた。娘に障害があって介助がいるから、それは無理だと言った。それで、10日間はこのまま自宅で療養してくださいと言われて。一応私達もPCR検査をした方がいいということで、その検査キットも届けてくれて。結果、私も陽性だった。とりあえず2,3日の食糧は買ってあったし、うちはすでに生活様式を変えてたし、かおるの具合が悪かったらまた違ったんだろうけど、どんどん元気になってきてたので、おうちで閉じこもった生活だな~くらいで、焦ることもなく過ごせたと思う。保健所からは、熱、酸素量、倦怠感があるかなどの情報を入れる問診票みたいなメールが毎日届いたし、病院の先生からも毎日電話をかけてきてくれたので、安心感があった。


もし親が重症化したら? 課題が見えた今回のコロナ罹患

 元気になってからの家での過ごし方が一番苦労した。かおるが元気になっちゃったら、毎日「どこかへ行きましょう?車で行こう?」とか誘われて。今まだ出られないのよ、と言うと怒るし。テレビを見るのも好きじゃないし、本も読まないし、趣味と呼べるものがあまりないので、本当にひたすら2階の窓から外を眺めているという…そういう後ろ姿を見ると、本人は元気だから切なかった。あそこに行きたいだろうなあと思って。

 私自身は引きこもって生活するのは割と嫌いじゃないし、仕事も捗ったのでいいこともあった。まぁワクチンのおかげか、重症化しなかったということが一番大きかったんだけど。でも、1日中台所に立ってるような感覚で、食事作りが大変だったかな。

 でも、かおるは10日間家にいたことで運動能力が少し落ちた。もともと脳性マヒで歩いたり柔軟な動きをするのが難しいので、毎日ヘルパーさんや私と歩いてるんだけど、それがなかったために足下が危なくなって、いつ転ぶかわからない感じ。まだ完全に前に戻った感じではない。でも、これで抗体ができたなってことで、逆にほっとした部分もある。でも今回の件で、重症化してしまった時に、かおるだけ元気だったら誰がかおるの面倒見るのかとか、それはこれから我が家の課題かなって。

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