和歌山での出会いから 2022.6.29 すいごごカフェ 志波美乃里さん(埼玉県立大学卒業生)
憧れの海がある街でのお仕事
出身は宮城県仙台市。今年3月に埼玉県立大学を卒業。株式会社リタリコに就職して、放課後等児童デイの仕事をする予定。趣味は楽器を吹くことや、ジャズ喫茶やジャズバーで音楽を聴くことが楽しい。今日は、4月から2ヶ月ちょっと和歌山県白浜市で暮らしてた話を。なぜ和歌山に行ったかというと、入社が4月だと思ってたら7月で突如自由時間ができてしまって。そこで、せっかくなので憧れだった海のある土地で短期間住み込みで働くことにして、ホテルのフロント・ベルの派遣社員として過ごしてきた。
人への丁寧な接し方や礼儀をホテルマンとして学べるかなと思ったり、最初は不安ながらもわくわく感があった。でも実際、そんな全てうまくいくわけでもなく。全然知らない土地に飛び込んだけど、友達にも会えず、周りに同年代の人が全然いなかったこともあって、初めの1ヶ月はとにかく寂しかった。あと、みんなスピードの早い関西弁だから聞き取れなくて。職場のこわめのお姉さんからは「東北の人はのんびりでええなぁ。そんなおどおどしてて失礼やと思えへんの?」みたいな感じで結構言われて、ちょっと孤立感があった。それに、1日8時間+残業を週5日のフルタイムで働くことも、ホテルでの仕事も初めてだったから覚えることもたくさんで、本当にてんてこまいだった。クレーマーもいたし。でも逆に、アンケートに「丁寧にしてくれてありがとう」って私の名前を書いてくれて、チップもいただいたことがあって。すごく温かいなと思ったことも。
そんな感じで身体的にすごいへとへとだった。休みは週に2日あって、充実させるために何かしなきゃって思いがあったけど、体は疲れててしんどくて。でもある日、海で楽器を吹いていたら、ジャズバーが近くにあるからおいでよって声をかけてもらって。そこで演奏者の方が一緒にやろうよって言ってくれてシットイン(飛び入り)させてもらって。そこから世界が広がった気がする。いろんなことをしたけど、やっぱり私の中で人との出会いというのが大きくて、白浜で出会った大切な方を仮名で4名紹介しようと思う。
大切にしたい、白浜での出会い
1人目は、同じホテルでお仕事してた行動力がすごいレイさん。お金が貯まったら海外に行くって生活をして。3年くらい前に弾丸でヨーロッパに3ヶ月一人旅をしに行ったと言っていて。バス停に泊まったり、野宿したり、その日のホテルを一生懸命探すって生活をしながら楽しく過ごしたんだそう。言葉も通じない、土地も全然わからないところに1人でノープランで行くってすごいなと思った。
次は、あだ名が“ジャズさん”という、ジャズバーとジャズ喫茶のマスター。海で楽器吹いてる時にコーヒーの差し入れを持って来てくれた人。人柄が素敵なのと、本当に料理上手。私が障害系子供系の仕事をするって話をしたら、ジャズさんは診断しようと思えばADHDの診断がつくと思うって周りから結構言われてるみたいなんだけど、自分らしい自分を気に入ってるから診断をする気はないと言っていて、それがすごい印象に残ってる。
3人目が、個性的な服屋のダイさん。私はお休みの度に通ってたんだけど、1度も服を勧められたり、店内を案内されたことがなくて。いつも1時間ただ話して帰るっていう。でも服の糸の編み方1本から、これ以上ないってくらいのこだわりを持ってる方だった。このダイさんとさっきのジャズさんは商売をしている仲間という感じで、「あいつは俺がやろうとすることを絶対に止めないで面白がってくれる。でも、間違ったことをしようとしたら怒られる」って言っていて。2人の関係がすごく羨ましくなってた。
最後は、すごく多彩なモモさん。1ヶ月で5回6回ご飯行くくらい仲良くなった方。この人はベースは料理人なんだけど、お惣菜を作る仕事、ケーキ屋さんの販売の仕事、イラストレーター、漫画を描く、自分で作詞作曲してギターでライブをするとか、いろんなことをしている方で。こういう生き方に誇りを持ってると言ってた。仕事の相談をしたら、仕事や恋愛っていうのはサイドメニューで、メインメニューは自分の幸せだからねって言ってくれて。そういう考え方や生き方がすごくかっこいいなと思って、接してた。
帰れる場所が一つ増えた喜び
最初行った時は不安だったけど、逆に考えると、大学生活では本当に大切な友達や居場所があって、いかに充実して幸せだったのかということに気づいた。でも、今までできた友達と違って、和歌山で会った人達は大学を出た人がまず珍しかったり、定職に就いてない人の方が多かったり…いろんな生き方をしてる人達に出会って、自分の人生の選択肢も増えたのかなと。割とどうにでも生きられるんだなって思った。
本当に白浜を気に入って、ここにこのまま住んでもいいなって思った。でもリタリコに惹かれて入社を決めたというのも強くあったので、今は就職してみようと思ってる。もし今後他の環境がいいなと思ったら、その時白浜に行ってもいいのかなって。「いつでも帰っておいで」って言ってくれる、帰れる場所が一つ増えたことが自分の中ですごく大きくて、和歌山に行って本当によかったと思う。
志波美乃里さんのすいごごカフェの記録
2022.2.9 社会福祉を学ぶとは【前編】
https://room-yellow.seesaa.net/article/202207article_2.html
2022.2.9 社会福祉を学ぶとは【後編】
https://room-yellow.seesaa.net/article/202207article_3.html
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