駐車場の隅 花を育てて 2022.11.2 すいごごカフェ 癸生川新一さん(世一緒障害者スタッフ)【後編】

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靴底加工、看板持ち…職場経験豊富な人生

 それからはヤマキって靴底やってるところに勤めた。尾谷さんと同じで、足で踏んでカチャンカチャンって靴底を抜いて、大きい会社に納める仕事。「手だけは気をつけろ、ゆっくりでもいいから」って、あんまりうるさく言われなかったから、一応10年間勤めた。自分は何もできないから、パートさんと同じで糊付け専門。靴底加工。で、ヤマキさんも新しい工場を作るって言った時に辞めちゃって。そこから遊んでた。

 次に、半日のマンションの掃除を見つけて3年間やったけど、また辞めて遊んでた。それからハローワークに行ったり、たまに役所に行って求人のことを聞いたりして。で、次の看板持ちの仕事は直接会社に行ってやらせてもらえませんかって自分で言って、雇ってもらうことになった。現場には朝9時までに行かないといけないんだけど、最初は地図の見方もわからなかったから現場に行くのが大変だった。でも3年間もやってたら覚えちゃうんで。仕事は看板持つだけだけど、9時から17時頃までで、1日6500円くらいの割だったよね。結構いい小遣いになった。ただ、風が強くても雨が降ってもずっと看板持ってなきゃいけないから。雨の日はびしょびしょになるからカッパを持ってったりして。それでなんとか。


社交ダンスもお酒の付き合いも楽しかった

 結婚する前は町内でやってた社交ダンスの会に入ってた。3年くらいは月謝5000円払って、土曜に13時から1時間ダンスを教わってた。ダンスの先生は梅島でスナックもやってたんで、これにもよく引っ張り出された。深夜2時とか3時までなんて時もあったけど、こっちも踊れて一杯飲めるならって行って。他に習ってたのは一般的なお母ちゃん達なんで、みんなダンス踊りたくて来る。でも先生は踊ってくれるのは1回だけで、他には飲みに来たお客さんしかいないから練習できない。だから私が10何人と踊ったり。楽しかった。そんなんでダンスの会合3つくらい入ってて、練習に行ったり飲みに行ったりして。たまに飲み代といって2000円は取られたけど、5000円の月謝払ってただけで先生が飲み放題にしてくれてたんで。そうしてほとんどダンス関係でお金使っちゃってた。そういう付き合いはよかったんで。でも結婚してからは帰るのが遅くなっちゃうからなるべく行かないようにした。夜中うろうろするのは危ないから。


気の向くまま、これからも…

 子どもが中学までは保護とかももらってたんで、なんとかできてたんだけど。でも高校に受かってからはクラブにも入ってすごくお金がかかって。出せないってわけにいかなかったから、あの時は困った。でもなんとか子供も一応無事卒業して。でも当時、2年くらいずっと働いてなくて、結構金かかるから貯めてた生活費を使い込んじゃった。250万くらい使った記憶ある。で、息子からは「お前はもう面倒見ねぇ」って怒られて、勝手に出てっちゃって。今は住所もわからないんで、そのまんま。全然考えてなかった、というか考えられなかった。俺も適当。なんとか食べられたからいい。

 障害者の手帳を取ったのは30歳くらいの時。その時は結婚してたかも。世一緒は、仕事を探してる時に紹介されて。それから一応今日までのんびりといた。足の怪我は60過ぎてから。62か63になったら自転車に足を乗っけられなくなってた。世一緒に来た時にはもうそうなってた。でも森永のコラーゲンドリンクで足の痛みが消えちゃって。前からこれ飲めばよかった。20何本で2500円くらい。青汁も毎日飲んでるし、コラーゲンもおいしい。2人で月50本くらいで4、5000円。値段は高いけど治るんで。あとロイヤルゼリーとか、私の無駄遣いはサプリメント。もう何十年も病院行ってるけど、病院行っても治らないから。

 これから先のことも、何も考えてない。年金もらって暮らしてるだけ。日雇いの時はそれで母ちゃんとなんとかやってたけど、今は手とか足が悪くなって出かけるのも億劫になっちゃったし、もう働けない。働くと疲れちゃうから。あとはテレビ見たりゆっくりすればいいんで。どうなるかわかんないけど。誰かにお金を払ってやってもらうのか、その時はその時で。今が動ければって感じ。ただ、怪我しないように。

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